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  • 執筆者の写真加藤亮太

カトウ塾だより2022年5月20日版

塾生保護者さまへお渡ししている「カトウ塾だより」を共有いたします。





塾生保護者さま各位

カトウ塾 加藤亮太


月一発行

カトウ塾だより2022年5月20日号 




今月のトピック

☆定期テストの結果によるペナルティ(罰)制度を廃止します。


子供を律するための罰。

時には有効ではあるかもしれません。

当塾においては、1年間、「ペナルティ制度」として、定期テストの結果によっては罰を課してきました。


しかし、この1年を経て、「成績によって罰が下る」という制度は、勉強に対してネガティブな感情を形成してしまうおそれがある、とようやく気づくに至り、反省とともに、廃止することとします。


テスト結果は、結果が出た時点で、すでに生徒の心に響くもはずです。良い成績だったら、それが褒美となり、良くない成績だったら、それが負荷となってのしかかっているはずです。そこへ、塾が追い打ちをかけることはない。


当塾がやるべきことは、もちろん、やる気を失いかけている生徒をコテンパンに打ちのめすことではなく、生徒のやる気をさらに喚起すること。そのことを再確認いたします。

その証拠に、ペナルティを与えない生徒が成績が下がり始める、ということはなく、今回の中間考査の結果でも伸びている子のほうがむしろ多勢でした。


テスト対策期間中、生徒さんたちはとてもすごい集中力で勉強しています。そこまで勉強する

ご家庭では「よく頑張っているね」と、褒めてあげてくださればと思います。





☆中室牧子著「『学力』の経済学」を読んで


2015年に刊行された「『学力』の経済学」。当時のベストセラーで、保護者様の中にもすでにお読みになった方も多いかもしれません。

著者は、教育経済学者、中室牧子。慶応義塾大学教授であり、政府の教育関連の会議で委員を歴任。


この本の最大の面白さは、中室氏が提唱することすべて経済学的視点によるものであること。つまり、膨大なデータに基づくものである、ということ。


ときに、教育に関しては、「なんとなく良さそう」といった、主観的な勘や、東大生の親の経験談などという、一般化して語られるべきではないことが、「良し」とされる風潮があり、その風潮が日本の政府の根幹にまで及んでしまって、誰も疑わないでいることに対して、中室氏は警鐘を鳴らしています。(じつは、東大生の親の平均年収がべらぼうに高い、ということが事実としてあり、そんなごく一部の感想を一般的なこととして参考にしようとするのは、科学的ではない)


私はようやく今になって読んだのですが、目から鱗が落ちる、ということが大変多かった本書。

すべて統計学的に有意な実験で、実証されたことである、ということなので、説得力が違います。

特に当塾の保護者様には知っておいていただきたいことを、かいつまんでご紹介いたします。


・ご褒美はやる気アップに効果がある。

ただし、長期的な目標ではなく短期的な目標に対して効果を発揮する。

そして、見返り(ご褒美)は早ければ早いほうが良い。

 ……たとえば、

「この本を読んだら1000円あげる」というご褒美は、

「今度のテストで学年順位が上がったら5000円あげる」というご褒美では、前者(1000円のほう)は、実際に動かすことができ、後者は行動に変化はなかった。


・プロセスや努力に対するご褒美は効果的。結果や能力に対するご褒美は逆効果。

……たとえば、

 「3時間勉強するごとに1時間ゲームしていいよ」というご褒美は、

 「今度のテストで20位以内に入ったら、誕生日にゲームを買ってあげる」というご褒美では、

  前者には効果があるが、後者だと、あまり影響しないどころか、むしろ逆効果であることが多い。


 また、「頭がいいね」と褒めるのは、「成績が下がったら褒めてくれないのではないか」という恐怖

感を与えるが、「よく頑張ったね」と努力を褒めると、その子はさらに頑張る方向へと向かう。また、それはより具体的な方が良い。例:「2時間も勉強できたんだね」


・ご褒美が悪になるのではないか、と思ってしまいがちだが、その心配はあたらない。

 ……ご褒美ばかりでは、際限がなくなり、むしろ「勉強を一生懸命にすることは楽しい」という本人の自

立心にダメージがあるのではないか、となんとなく考えてしまいがちですが、その心配は誤り。

それどころか、中学生への金銭によるご褒美は、金銭管理の勉強にもなり、一石二鳥。


・「褒め育て」の誤り。自己肯定感や自尊心を育むべき、と盛んに言われているが、実際はズレがある。

 ……自尊心が低い、自己肯定感が低い、ということを「悪」とする風潮がる。

   が、ひも解いてみると、自尊心が高い子は、「結果的に自尊心が高いだけ」ということが判明。

   つまり、学力が高いという「原因」があるから、「結果」として自尊心が高くなっていた。

むしろ、むやみやたらに褒めるのは、無用なナルシシズムを植え付けてしまう。

 

・テレビやゲームは1時間程度なら、問題がない。もしその時間を奪っても、勉強時間は伸びない。

 ……「ゲームは禁止!」と奪った結果、平均1分程度しか勉強時間は伸びなかった。

   また、1時間程度のゲームやテレビは、勉強時間に悪影響はなかった。

息抜きのため、テレビやゲームは許しても良い。(ただし、2時間を超えると害が飛躍的に出る)


・「勉強しなさい」と叱るのは、無意味。

 ……声をかける程度のことでは子供は動かない。勉強時間の増減にまったく影響がない。 

叱ったところで、エネルギーの無駄遣いであり、家庭環境の悪化しか招かない。

   

・親ができる、子の勉強に効果のあることは、見張ること。寄り添うこと。

 ……「勉強しなさい」と言って、その場から離れたら、前述のように効果はない。

   が、「勉強している様子を見ること」「勉強する時間を守らせるために見張る」ということは効果が

ある。ここから、手間をかけなければ、子供も動かない、ということがわかる。

なお、これは親ではなく、他人(祖父母や兄弟、あるいは塾の先生など)でも同じ効果がある。




以下、学年別の指導内容のご報告・個人別のご報告が続きます。


中学1年生

初めての定期テストを経験しました。

緊張した、という生徒さんもいらっしゃいました。

勉強の成果が出せるかどうか、が問われるので、緊張するはずです。テスト対策期間中、皆さん一様に集中して取り組めていました。(あまりに範囲が狭い学校もあり、少々中だるみもありましたが……)

とにかく、中1・中2のうちは、定期テストだけは、きちんと点を取りにいくこと。ここはこだわってください。高校入試では、中学で習ったこと全てが範囲となります。

もしどこかでサボった期間があるとしたら、受験のときに人一倍苦労する羽目になります。


そして、生徒の皆さんへも伝えましたが、今回の中間考査は、もちろん重要なテストではありますが、内容としては、初心者向け、という側面もあったのは事実かと思います。

6月の期末考査から、差がついていくところです。(殊に、範囲が狭かった学校では、一気にその量が増えます)気を引き締めてまいりたいと思います。


国語……

 語彙力のトレーニング、文章読解、月1の作文練習。

 難しい単語を文意に沿うように入れることは、語彙力の発達と同時に、読解力の強化に役立ちます。

 最近ではその難度が上がり、私も生徒と一緒になって「どういうことだ?」と考えながら進めています。

 ある程度は考える難しさがあった方が、面白みがあることを実感してくださっているはずです。

 また、作文練習では、あえて禁止ワードを設定して、たくさんのお題に取り組んでもらいました。

 「私は・僕は」「と思います」という言葉がなくても、思いは表現できる。それどころか、無い方が、むしろ躍動感のある文章が書ける、ということを、たのしみつつ分かってくれたかと思います。



数学……

 テスト範囲をあえて無視して、先取りを進めています。

 新たに、文字式での単位の変換や、文字式の等式・不等式といった、文章題も行いました。

 また、複雑な一次方程式を中心に進めていますが、これから習うすべての技術が必要となるため、今後の

定期テストでの得点力強化にも直結しています。


英語……

素晴らしい教材を新たに導入しました。得点力強化にさらに拍車をかけていきます。

英語で、できる子とできない子の差が生じる大きな一因に、「単語や表現を覚えられるかどうか」という

ことは、シンプルながら、大いにあると思います。あまりに地味な視点で、どうしてもないがしろにされてしまいがちなところですが、英語が苦手な子は、基本的に単語を知らない、という割合が高い、というところに着目しました。

「覚えること」から逃げないこと。そして、文法を使いこなすこと。この両輪で進めます。


理科社会……

テスト前になり、理科社会ともに、大量の問題を解いていただきました。

覚えることがメインになる範囲ですが、覚えたかどうかの確認をしないままテストに突入すると、痛い目にあいます。その確認の仕方がわからないから(あるいは、面倒だから)、苦手になる、ということはよくあります。

問題をたくさん解いていただき、「解くとともに覚える」を実践しています。



中学2年生

中間考査の結果は、まだすべての生徒さんから返ってきたわけではありませんが、かなり成績が上昇した生徒さんが多いように見受けられます。勉強する集中力もとても良いです。

忙しいスケジュール感ですが、この調子で、期末考査でも好成績を目指してもらいます。


国語……

受講生がいらっしゃいませんので報告はございません。


数学……

 テスト対策、ならびにテスト後、ともに、春期講習ですでに先取りしたことが続きます。

 大量に解いていただき、手が勝手に動くようになれば、100点は夢ではありません。

 現に、中間考査では高得点のご報告もいただいています。

 期末考査でも、その方針のまま、テストも連発し、大量に解いていただくことを目指します。

 テスト後、難関である「一次関数」「図形の証明」へと進めます。ここで数学の成績が下がる子が多いで

す。夏期講習も使い、理解を深め、周りに差をつけてもらいます。



英語……

 春期講習からずっと取り組んで来た、難しい文法「接続詞」も、理解が深まってきているようで、すでに

使いこなせる子、正答連発の子が増えています。

今後は「to不定詞」「比較級」という、また難しい文法が、2学期、3学期と続きます。(すでにto不

定詞は先取りに入りました)夏期講習も含めて、深い理解を目指します。

また、新たな教材も導入しました。そこから毎週テストを課します。10数個の英文を丸々覚える、と

いう、厳しいテストです。不合格の場合は、補習となりますが、不合格だった範囲の勉強をしに来るの

ではなく、次回テスト範囲を勉強しに来てもらう、ポジティブシンキングを促す補習となります。

合格を目指して勉強することで、テスト対策期間に入る頃には、教科書内容は一旦覚えた(あるいは覚

えようと本気で努力した)ことになります。今までよりも得点力を増強できます。毎週大変はなはずで

すが、その恩恵は大いにあるはずです。



理科社会……

受講生がいらっしゃいませんので報告はございません。



中学3年生 

受験生となって、初の定期テストが終わりました。皆さん、点数にこだわり、自分の内申点をいかに上げるか、に集中している様子で、とても良いです。

今後も、2学期期末まで、続きます。長い戦いでもありますので、健康的に楽しく取り組めるよう、オンとオフ、メリハリのある勉強を心がけるよう、伝えております。

1学期期末考査が終わるまでは、基本的には、学校の点数のことだけを考えていき、期末考査後、一気に受験モードへ切り替えます。


国語……

文章読解メイン、月一程度に作文練習を行っています。

理屈で物事を考えられるかどうか、がすべての科目の基礎にあり、国語はそこばかりを問う科目です。

「理屈っぽい人は嫌われるよね。だけど、国語を取り組むときは理屈っぽく、いやな奴になり切って。理

屈っぽく、冷静に読みましょう」と伝えているところです。 難しい文章に接し、「何を言っているんだろう?」「何を読み取るべきなのだろう?」と考えながら読むことは、他の科目へも良い影響があるはずです。


数学……

 すでに先取り済みの平方根へと進みます。期末考査は、ここまでがテスト範囲となります。

 テストを連発し、合格できるよう、そして、期末考査で悔いの無い点を取れるよう、あおってまいります。


英語……

 すでに先取り済みの文法「現在完了形」を大量に解いています。

 また、新たに導入した教材で、教科書内容へのアプローチも今まで以上に、強化していきます。

 このことで、テスト対策期間に入る頃には、すでに教科書内容は頭に入っている、単語はもう覚えている、

という状態を目指します。得点力のさらなるアップを狙っています。


理科社会……

 中3で学ぶ範囲を網羅しています。知的で、面白い範囲も多いので、早めにすべてを網羅します。

そして、繰り返すことで定着を図ります。

 生徒たちは、どんどん吸収していきます。そして、一旦忘れるはずです。

 が、次に取り組むときには「知ってる。やったことある」という体験となります。

まるっきり初めて取り組むときの、わからないかもしれない不安よりも、「楽しい」という感情で取り組

めるので、身につく効果が各段に違うはずです。

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