今日、読売新聞にて「公立高校受験制度の、内申の簡素化」に関する記事がありました。
私が塾講師を始め、一番のカルチャーショックであったことと関連します。
それは、
公立高校の受験において、
県ごとに内申書の扱いはちがう、ということ。
公立は、なにもかも、全国一律だと思ってた。。。
けど全然違う。
当塾に勤める以前は、私は金町の個別指導塾で勤めておりました。
ここ金町は、辺境の地。
・・・じゃなくて、県境。
もちろん都内の生徒がメインですが、
埼玉県の生徒や、千葉県の生徒も、少数ですが、いらっしゃっていました。
そこでカルチャーショックを受けます。
都内の子と、教える範囲が違うんです。
なぜなら扱っている教科書が違うから。
これくらいは驚くことではない。
教えるのが、ちょっと大変だ、程度です。
(ちなみに、
当塾では他県中学在籍の生徒はお断りしております・・・)
が、ここが大きく違う。
定期考査の重みが、全然違うんです。
ゆえに
生徒のテンションが全然違います。
深刻度が、全然違います。
そもそも公立高校入試では、
学力試験の点数と、内申書の点数(内申点)
この合計点が基準となります。
まず、この重みが各県によって、違う。
こちら東京は、
試験:内申
= 7:3
千葉は、
試験:内申
= 8:2(あるいは9:1)
内申の扱い、低いですね……
埼玉は、
試験:内申
= 6:4から3:7まで(各高校次第)
高校によって違いがすごい・・・!
神奈川は、
試験:内申:面接
= 4:4:2か、5:3:2
めんせつ!?
兵庫は、
試験:内申
= 5:5
ヒイイイイイ、内申、高!!
そして、さらに驚くべきことは……
「内申書の点数、どの時期の通知書から採用するか」
も、また各県で違う、
ということ。
東京は、中3の時点での成績のみ利用です。
すなわち、
極端に言えば、
中2まで「オール1」でも、
中3で奇跡の復活で「オール5」をとりさえすれば、
それまでコツコツ積み上げてきた人と同等に、高く評価されます。
(こんな大逆転なんて、本当に、奇跡、ですが・・・)
千葉は、中1・中2・中3、均等に評価されます。
すなわち、
雑な言い方をあえてしてしまうと、
中1時点で、すでに成績が低い場合、その時点で、もうかなり難しい、ということ……
復活逆転の望みは、かなり薄い……
埼玉も東京よりは厳しめです。
中1:中2:中3
= 1:1:1だったり、1:1:3だったり、1:2:3だったり。
この比率は、高校ごとの裁量によるそうです。
前述通り、かなり高校の特色が強い、と言えるでしょう。
神奈川は、中1の成績は使わず、
中2:中3 = 1:2 で採用するようです。
以上のことを考えると、
東京の子は、中3までは、割とノンビリ、あるいは、のびのびできる感があります。
さらに、
内申点が何によって決まるのか?
中学生は、何を気にしなければならないのか?
先生が評定するわけですが、その基準って、ブラックボックス!?
そんなでは、
中学校生活、
先生に気を遣ってばかりの日々じゃないか・・・
今日の新聞記事は、そこが焦点でした。
広島県が、
2023年から、この基準を簡素化させるそうです。
旧来
試験:内申 = 125:130
↓
2023年から
試験:内申:自己表現 = 6:2:2
簡素化と言いつつ、「自己表現」増えてるのには理由があるようです。(後述)
比率は、ずいぶんと、「逆転可能」に。
さらに、内申書に記載する内容も変わるそうです。
(あくまでも広島県の話)
旧来
・志望校、氏名、性別
・評定
・特別活動の記録(生徒会、行事など)
・スポーツ、ボランティア活動などの記録
・行動の記録(責任感、思いやりなど)
・欠席日数、主な理由
↓
2023年から
・志望校、氏名、性別
・評定
さらに推薦入試も撤廃するようで、
その代わりの、前述の「自己表現」、なのだそうです。
記事にもありましたが、
学校に対して委縮しなければならない制度は、子供の身になると、息苦しく、画一的で、いやなものです。
勝手な想像ですが、
「不良文化」の終焉とともに、このような制度も古くなってきているのでしょう。
簡素化がすすみ、生徒が自分への評価を、納得しながら、
能力をフル活用できるような中学になればいいな、
とは思うのですが、
東京はすでにそのようになっていますよね。
果たして他県との違いはあるのでしょうか。
具体的なメリットは出ているのか。
たとえば、東京の中学出身の生徒と、広島の中学出身の生徒とを比べると、
具体的にどういう違いが出るのか。
ちょっと気になるところです。
さて、
東京の制度は、かなり生徒思いだな、とは思うのですが、 ひとつ注文するとしたら、 「実技科目2倍、辞めて欲しい……」
Comments